2026/09/01

『 消えたことにも気づかない火』


     写真: anreed-gallery / Tumblr 

     [ Used with permission. ]

 自分のやりたいことだけをやっていると、少しも眠くならない。気づけば時間の感覚まで薄れている。眠気より先に、もっと続けたいという気持ちが残る。

 関心を持ったものは、いつまでも続けてしまう。出来高も効率も、あまり関係がない。ただ手を動かしている。それだけで妙に満たされる。火が消えるまでというより、消えたことにも気づかず熱を追っているようなものか。


 やりたくなかったことも、いろいろとやってきた。それが金になると解れば尚更止めにくく、離れにくい。実際には嫌だ面倒だと思いながらも続けるのだから、我ながら器用なものだ。

 そのことに気づくと、私は考えるのをやめてきた。考え始めれば、どこまでも深く潜ってしまう。ならば息を止めて浮かび上がるまで待てばいい。そうして今までの日々をやり過ごしてきた。

 有る意味、生きることもそうだ。


 九月になった。


 Zoneの夏も、そろそろ終わるらしい。暑さはまだ残っている。それでも夕暮れの風には、わずかに冷たさが混じる。乾いた草の匂いも、少しずつ夏とは違うものになってきた。

 季節の境目というのは、案外静かなものだ。気づいたときには、もう別の季節の中にいる。

 私も同じなのだろうか。まだ夏の熱を抱えたまま、知らないうちに次の場所へ進んでいるのかもしれない。

 そうして、生きている。